数字の魔術/詐術?

 まずはこちら。ソニー「年末商戦はAV市場全体でシェア30%を目指す」[cnet.com]

アップルコンピュータiPodシリーズが人気を集めている携帯オーディオプレイヤー市場については、「金額ベースで見ると市場は右肩下がりの状態にある。これを持ち直すためには様々な製品を投入する必要がある」

と言うのがソニーの主張。果たしてこれは正当な評価であろうか。
 では続いてこちら。BCN総研ニュースリリース「活気づく携帯オーディオ市場」[computernews.com]…このBCN総研のレポートによると、確かに金額ベースで見れば、7月177.8%→8月169.5%(今年2月比)とソニーの主張通り下降している。しかし逆に販売数量ベースで見ると、7月174.9%→8月178.8%(同)と上昇している。どうやらここにトリックがありそうな感じ。
 7月と言えば、7月19日にiPodの値段が約1万円づつ下がり、7月24日にそれより安いiPod miniが発売された。そして上記のレポートからメーカー別の販売数量の推移を見てみると、Appleの数値はほぼ横ばい。つまり──週ごとの販売データがあるわけではないので断言はできないが──iPodが一台売れるごとに6千円くらいずつ8月の金額ベースの数値に対してマイナスの影響を与えてる訳ですよ。ちょっと強引すぎるかな…でもその強引さを割り引いたとしても、そう推論して行けば、実質的な市場の動向を見るのなら金額ベースよりも数量ベースの方が正当だとは言えないだろうか。
 これは余談だけど、数量ベースで見るとソニーは7月:8月=5:4。…うん、確かに数量ベースの数値では説明したくないかもしれない(笑)他の企業は全部ほぼ横ばいか上昇してるしね。