夜明け前。

 今は夜明け前かもしれないが、空は暗く、時計を失くした人にはそれを感じることが出来ない。
 WWDCの基調講演が行われたのは日本時間のまさに夜明け前だったわけだけど、Appleにとって最近のPowerPCの開発状況が夜中に等しかったのだとすれば、その夜が明けるのはいつだろうか。明けない夜はない、とは言えない。
 Apple(とスティーブおじさん)は簡単迅速に移行できると主張しているが、その主張によって魔法のようにIntelプロセッサへの移行コストが減るわけではない。ソフトウェアベンダーの移行にはAppleの様々な支援が必要になるだろう。経済的には(ユーザー・ベンダー双方の)移行期間を、どれだけiPodで稼いだ現金で支え、Apple自身も持ちこたえることができるか。そして精神的には──精神論かよ、と言われるかもしれないがAppleには必要不可欠な要素だろう──ジョブズが語る未来をどれだけ多くの人々と共有できるか。
 いちMacユーザーとしては、どう切り抜けてくれるのか楽しみにしている。モバイルノーMacが出たら嬉しいしね。