切れ味の比喩について。

 先日、髭剃りを買った。今まで5年くらい使っていた髭剃りの替え刃を切らしていたのに気付かず、どうせ買うならここらで新しいのを買ってしまおうという感じで。前のは2枚刃、今度のは5枚刃。…全然違うのね。技術的進歩に脱帽です。ものっそスムースに剃れますよ。Viva, 5枚刃。
 で、その日の帰り道。いつものように真夜中の東京を、何を考えるでもない思考を弄びながら走っていて、ふと思った。「髭剃りのような文体」って、どうだろう。他のなにものも傷つけることなく、ターゲットにはスムースにアプローチする。そのような文体。差出人不明の手紙にまとめて5、6枚入っているような、そんなイメージばかりを思いつく「カミソリ」ではなく、キレてない、つまり、クールな、はたまた一見無害な、それでいて鋭い、そういう文章。なかなか良さそうな気がする。
 そういえば、「鉈の切れ味」ってあったよな、なんだっけ…あ、馬か。