大学病院の人間は、大学病院の中でしか死ねないんだ。

 今日は白い巨塔の最終回だった。気合いの入った良いドラマだったと思う。そういえば、真面目に面白いと思って見続けたドラマは久しぶりのような気がする。
 この項の題名は、最終回の中で印象に残った台詞だが、この台詞が白い巨塔というドラマの全てを表しているようにも思える。その閉鎖性故に安定を保っていた、或は安寧を貪っていた、一つの完結しているように見えた社会の病理。
 外側には見せられない、もしくは見せるべきではない内幕はどんな社会の単位にもあると思うので、閉鎖性が全て悪いと言っている訳ではないが、一人の人間の生き方をも閉じ込めてしまうような鎖はやはり間違っていると思う。そんな鎖にこれから出会うのかもしれないし、まだ気付いていないだけかもしれないが、それを目にしたとき自分が何を思うのか、興味が残る。…ちょっと怖いけどね。

 [追記]個人的には、石坂浩二(東教授)が大学病院の廊下を歩いていて、平静を装おうとしつつもギリギリ顔の筋肉だけでほくそ笑むシーンが全編を通じて印象に残っている。凄い演技だった。あのシーンがあったからこそ見続けたと言っても過言ではないかも。…あー、そのシーンの後テレビを見ながらニヤニヤしちゃって大変だったのを思い出した。