批評に制裁で応ずるということ。

 まず、高橋健太郎さんのblog[livedoor.jp]からの引用。

CCCDに対する辛辣な発言によって、萩原健太くんは二社の レコード会社から、制裁措置を受けている。 サンプル盤が送られなくなっただけではなく、雑誌社がア ーティストにインタヴューの申し込みをしても、インタヴュー ワーが萩原健太だと分かると、取材拒否される(結果、雑誌 社は他のライターに仕事を依頼せざるを得ない)そうだ。

 これは別に戦前・戦中の日本のことではなく、れっきとした現在の出来事で、それだけに尚更憤ろしい。一種の社会的権力である企業体による、個人の言論の抑圧。批評・批判はシステムの自浄作用の要ともいえる重要な要素なのに、それが気に入らないからと言って切り捨てて、そして圧殺して。傍若無人の振る舞いとはこのことか。
 公権力に対しては、こうした言論の封殺について(一応は)憲法上様々な制約が課されている一方で、一人の人間の生活・人生を大きく左右し得る程の力を持つ企業が、その力を以て我侭としか言いようのない行為を──愚行、と言ってよいだろう──自制することなく実行に移す、そんな世の中ですか。今は。