音楽の偏狭not辺境

 ユーザー置き去りの著作権攻防戦[asahi.com]
 大手と言われるサイト、かつ一般紙の記事でこれほど現状の問題点に海外との比較を織り込みつつ*1踏み込んだ記事は無かったように思う。是非多くの人、それもiPodなんて知らない、CCCDでも別にいーじゃん、って言っているような人にこそ読んで欲しい記事である。*2
 これを読めば日本の著作権業界が、音楽を楽しんでいる一般の人たちをどこまで見くびっているのかがよく解る。はっきり言って日本の音楽業界は「世界一厳しく制限を課し、世界一遅れたサービスを提供する」そんな状態だということが。さらにこの記事の中で一番衝撃を受けたのが、

例えばあるレコード会社の法務関係者は「私的複製は原則禁止し、一切の複製を有料化するべきだ」としている。

という部分。消費者*3の権利を奪い、まるで犯罪者のように考え、自分たちの利益だけは確保しようとする音楽著作権業界の「本音」が見て取れる。再販制度に守られた閉鎖的な高価格を維持したままで、CCCDレーベルゲートに代表されるような、消費者の利便性や「音楽を楽しむ姿勢」を欠落させた最低なサービスを提供するだけで、これまでの既得権益にしがみ付こうとする…そんなのってないでしょ。
 音楽の辺境からならまだ、見渡しのいい景色が楽しめるのかも知れないけど、音楽の偏狭からは一筋の光明を探すことさえ困難を伴う。しかし光明は私たちが探せば見出せる──その光明の名はiTunes Music Store…だといいけれど。

*1:日本の業者への遠慮があるのか、この視点が抜けている記事が非常に多い

*2:文章だけでなく画像もちゃんと見て欲しい

*3:音楽を聞く人を消費者と言うのは本意ではないけど一応そう表記する