最初の一文とタイトル。

 最初の一文で読者をその気にさせる小説はいい小説だと思う。それと同時に、美しいタイトルはそれだけでその本を読む価値があるものにしてくれる。
 よくあるクイズとして、ある小説の冒頭を提示して、そのタイトルを当てさせるものがある。そういうクイズで、この前面白い問題に出会った。その本自体は一行も読んだことがなく、タイトルを書店やなにかで見て少し印象に残っている程度だったのに、最初の一文を読めばそのタイトルがある確信と共に思い浮かぶ、そんな問題だった。結果は勿論、正解。
 実はそういう本って凄い本かもしれない。…と後で考えてみて思う。最初の一文とタイトルをどちらも印象的に、しかも、それぞれの間に明確な繋がりを持たせて表現する、ってなかなか出来ることではないんじゃないだろうか。それが狙って書いたのではなかったにせよ、ね。
 …我ながら曖昧で茫漠とした話だとは思うけど、書名は敢えて*1伏せます。

*1:理由を含めて知りたい人は聞いて下さい。…まあ大したことじゃないんだけど。